イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
白いご飯とわかめとネギのお味噌汁。サバの塩焼きにキュウリとキャベツの浅漬け。
唯一ちゃんと料理をしたのは、我が家の定番のきんぴらごぼうくらい。
ごぼうを洗って細く切るのは苦労したけど、調味料を前もって合わせてから鍋に入れるんだと教えてもらったおかげで慌てずに作ることができた。
先週、自己流で酢豚を作ったときは、火をつけた鍋に直接調味料を投入していったせいで、味のバランスもなにもなかったなと反省する。
使った調理器具を洗い、キッチンをざっと片付けてからテーブルに料理を運ぶ。
すると、ちょうど着替えた拓海がリビングに戻ってきて、「おぉ」と嬉しそうに声をあげた。
「すごい、ちゃんと食べ物に見える」
なんて失礼な感想だ、と思ったけれど、先週とても食べ物には見えない酢豚を作ってしまったのは私なので、言い返せずに顔をしかめる。
「なんか、質素な料理でごめんね」