イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「あの、シャワーありがとう。あと、服も……」
気まずくてうつむきながらぼそぼそと言うと、拓海は立ち上がりこちらに近づいてくる。
お味噌汁をこぼして頭から浴びてしまった私を、ドジだとバカにして笑うかなと思ったけれど、拓海は真剣な表情で私のことをのぞきこんだ。
「やけどしてなかったか?」
「あ、うん。もうお味噌汁冷めてたし、全然……」
「よかった」
ほっとしたように表情を緩める。
心配してくれたんだ。胸の奥がぎゅっと苦しくなった。
部屋には気まずい空気がながれていて、なんだか呼吸まで苦しい。
私がぎこちなく息を吐き出すと、拓海が車の鍵を持った。
「送ってく」
そう言われ、小さく頷いた。