❀乱世の恋物語❀
城での暮らし
舞(タイムスリップしちゃった以上、私はここでなんとか生きるしかない!)

持ち前の明るさで気分をあげる

秀吉「お前の部屋を案内しよう。半兵衛頼んだぞ」

半兵衛「はっ」

舞「よろしくお願いします」

半兵衛 「あぁ。無駄口はたたくな。黙ってついてこい」

舞(本当にこの人口が悪い。なおしてあげたい!)

半兵衛「ここだ。自分で開けろ」

言われた通りに開けてみるとそこは畳がたくさん敷かれた広い部屋だった

舞「わぁ…。ここが私の部屋?」

半兵衛「そうだ。秀吉様に深く感謝しろ。あと、俺にもな」

舞「秀吉様にはもちろん感謝しますよ。でも、あなたは…嫌や」

半兵衛「なんだと?ここまで連れてきたのはこの俺だろ!」

舞「連れてってなんて言ってないわ!!」

半兵衛「怪しい奴はみな、連れてこないといけないんだ!」

舞「私のどこが怪しいのよ!一般庶民なんよ!」

半兵衛「あー!うるせぇ女だな!」

舞「なによ!そっちこそうるさい男ね!」

半兵衛「あぁ?」

ぐっと距離を詰められ息もできない体制になってしまった

舞「き、急に近づかずかんといて…っ!」

半兵衛「お前が怪しすぎるからだろ」

舞「え……っ」

その瞬間ぐらっと体制を崩して…

舞「わっ…。ごめんなさいっ!」

半兵衛に抱きつく姿勢になってしまった

半兵衛 「もう、いい。俺も悪かったな。煽りすぎた」

舞(あれ…。素直…)

半兵衛「何かあれば俺を呼べ、わかったな?舞」

舞「…はい」

襖が閉じるとほっと息がつけた

舞「私、本当に現代へ戻れんのかな…」

そして今更ながら足が痛んだ

舞(色んなことありすぎて忘れてた…。手当ってどうするんだろう…)

襖を、開けて左右を見る。しかし

舞「だめだ……。広すぎる。これじゃ痛いままだ…。どうしよう」

半兵衛「どうした」

舞「は、半兵衛さん!?いつからここに」

半兵衛「お前が襖を閉じてから」

舞「なぜ……」

半兵衛「お前が脱走しないように。それで、どこが痛いままだって?」

舞「あ…足です。ここ来る時、痛めちゃって」

半兵衛「なんだ、早く言えよ。こっち来い」

舞「え?」

半兵衛「手当する。あ、痛くて歩けねーか。」

すると半兵衛さんがひょいっと私を抱き上げた

舞「二回目……っ!」

半兵衛「回数なんてどうでもいい。こら、騒ぐな」

舞「重いでしょ?!降ろして…っ!」

半兵衛「軽い。全く重くない。だから降ろさねーよ」

舞「なっ…」

半兵衛「ようやく黙ったか、お前は本当にうるせぇ奴だな」

舞(言い返したい…。けど、またここで何か言ったら馬鹿にされるだけ…)

半兵衛「なんだ、文句ねーのかよ、姫様よ」

舞「……っ。ないです!」

舞(姫様って…)

半兵衛「降ろしてやる。手当するから待ってろ」

舞「はい…」

半兵衛「なんだ、真っ青だぞ。どんな転び方したんだよ」

舞「足だけ…やっちゃっただけです…」

半兵衛「ふーん。ほら、できた」

舞「ありがとうございます」

半兵衛「帰りも乗ってくか?俺の腕に」

舞「お断りします!」

そして一目散に走り出した

半兵衛「おい!舞!」

舞「ありがとうございました!!!」

襖を勢いよく閉めて、その場にへたりこんだ

舞「何やってんだろ…私」

舞(でもしょうがないよね、半兵衛さんがいきなり優しくなんかするから)

その頃半兵衛は―…

半兵衛「なんなんだ、あいつ」

秀吉「妙に騒がしいと思えば、半兵衛か」

半兵衛「秀吉様」

秀吉「なんだ、舞に惚れたか」

半兵衛「やめてください…っ」

秀吉「ほ、ほ、ほ、おもしろいなぁ」

舞「謝りに行こっかな……」

無駄に広い大坂城を私は半兵衛さんを探しに歩きだした

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