❀乱世の恋物語❀
伝えたいこと
舞(本当…。無駄に広い………)

半兵衛「舞、今度はどうした」

舞「半兵衛さん…。あなたを探してたの」

半兵衛「俺に用?お前が?」

舞「手当ありがとう。おかげで痛みも和らいだ。あと、色々言っちゃってごめんなさい」

半兵衛「それだけを言いに来たのか?」

舞「うん」

半兵衛「素直な奴。別に俺は何とも思っちゃねーよ。強いて言えば……」

舞「な、なに?」

半兵衛「お前の笑った顔が見てみたいな」

舞「え…?なぜ……」

半兵衛「ここまで素直で真っ直ぐな奴、みたことねーよ。だから」

舞「……そう」

半兵衛「はい、今すぐ笑え」

舞「強制的?!っていうか、そんなすぐ何もないときに笑えんよ」

半兵衛「そういうものか」

舞「そういうもの。じゃあね」

半兵衛「……舞」(小声)

襖を閉じて、その場にへたりこんだ

舞「半兵衛さんの前では絶対笑えない…」

翌日

半兵衛「舞ー、入るぞ」

舞「朝からなに?」

半兵衛「今から俺の御殿に来い」

舞「行く必要を感じない…」

半兵衛「お前、そういうところは冷たいのな」

舞「必要のないことは……」

半兵衛「無駄口はたたくな。黙ってついてこい」

舞「なんでー!」

半兵衛「早く着替えろ、着物置いとくからな」

舞「まるで嵐だ………」

数分後

舞「はい。言われた通り、着替えました」

半兵衛「お前も着物を着ればみれるようになるな」

舞「どうも」

半兵衛「怒るな。冗談だ。かわいいぞ」

舞「……っ」

半兵衛「馬は出してある。行くぞ」

舞「え…。馬、怖いんだけど…」

半兵衛「誰が一緒だと思ってる。絶対守ってやるから」

舞「その自信はどこからくるのか……」

半兵衛「ほら、乗れ」

差し伸べられた手に少し躊躇ったが、その手を取った

半兵衛「振り落とされないようにしっかり捕まっとけよ?」

舞「振り落とすほどの速さにしないでよ…」

半兵衛「なるべくそうする。だが、期待すんなよ?」

舞「わっ……!」

馬が走り出した瞬間、何かが始まる予感がした―…
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