放課後○○倶楽部
「そう言えば、今回は救済があるんですか?」
「さあ、それは生徒会次第だから分からないけど」
俺と部長の二人で茶色を通し越して死人のような顔をした生徒会長を見つめていたが、あの人にそんな権限があるようには見えない。
多分、今の生徒会で一番の権限を持っているのは――
「こんなところで何を油売ってるの! 鈴木っ」
この人だろう。
部室のドアを勢いよく開けて雪崩れ込んできたのは副生徒会長の田乃中華子だった。
「ったく……こんなところで馬鹿女とイチャついて」
「誰が馬鹿女よ、誰がっ。あんたは正真正銘の馬鹿でしょうがっ」
「なんですって! 乳デカ女っ」
「あら、胸が大きいのは色々と大変なんですよ。小さいあなたには分からない事でしょうね、ほほほっ」
相変わらず仲が悪い事で……。
それからヒートアップしていった二人の戦い(内容に関しては頭が痛いので言いたくない)が暫く続いたのは言うまでもなかった。
「で、何をしに来たんですか? 副生徒会長の田中花子様」
「田乃中華子です! ったく、いつもあなたは私に対して失礼ですわ。私はいつまでも帰ってこない生徒会長を探しに来たんですよ」
鼻息荒く生徒会長を睨みつける副生徒会長。対する生徒会長は縮こまって「ごめんなさい」と答えるのが精一杯だった。」
この二人が学園のトップだと言うのがどうにも信じられないが、選んだのは俺達なのだから文句は言えないのだろう。まあ、一応は生徒会の仕事をしているので問題はないけど、ほとんどが言い出したら何でも実行する副生徒会長の尻拭いを生徒会長がして方々に頭を下げて廻っているという構図が出来上がっているのだが。
「まあ、何でもいい。いきなり廃部勧告とはどういう了見だ? 華子」
「それはまだ正式に決定したわけじゃないわ」
「……どういう事よ? これが私達にハッキリと言ったぞ」
と、生徒会長の頭を叩く和音さん。