放課後○○倶楽部
 数十分後――。

 和音さんのパソコン教室を聞き終えて、俺と律子ちゃんは校舎内を歩いていた。

「さて……部長の居場所はどこでしょう」
「この点滅している赤い点が部長ですよね?」
「そうだね。しかし、部長もまさか自分に発信機が付いているなんて知らないだろうね」

 パソコンの画面を覗き込んでいる律子ちゃんは赤い点を指で追っているが、その姿は本当に小動物のようで可愛かった。

「ど、どうかしましたか?」
「いや、律子ちゃんは可愛いなと思ってね」
「え? え、ふへええっ」

 驚いて目を見開いている律子ちゃんを残し、俺は移動している部長を追って歩き出したが数メートル進んだところで振り返ると壊れたロボットのように固まっている律子ちゃんは身動き一つしてなかった。

 顔は完熟トマトのように真っ赤で面白いが、このままでは先に進まないのでこちらの世界に帰って来てもらうとしますか。

「置いていきますよ」
「あ、はいっ――ひにゃっ」

 一瞬、辺りを見た律子ちゃんだったが、俺が離れた場所にいるのに気づき、小走りに近寄ってきた。だが、さすがはドジっ子と言うべきか、天然というか、足を滑らせて「へわわっ」と奇妙な声を上げ、前転をしながら俺の横を通り過ぎていった。

「きゃあああっ」
「すごいな……律子ちゃん。新しい技を編み出したようだ」

 転がっていく律子ちゃんを見送り、パソコン画面に視線を落としたが赤い点は動いていなかった。
< 22 / 161 >

この作品をシェア

pagetop