放課後○○倶楽部
本日の電脳革命クラブの活動内容は『部長の確保』である。
先ほど和音さんからパソコンの使用説明を受けたあとに「今日はあの馬鹿を捕まえてきて」と言われた。
部長にはママッキ―さんが作った試作品である高性能発信機なるものが和音さんの手によってこっそりと付けられているので、秘密兵器(パソコン)の使い方に慣れるのも兼ねて生け捕り(捕獲)する事となったわけだ。
「それにしても、どこでも行く人だ」
「本当ですね」
パソコンの画面を移動する赤い点は現在三階の廊下を曲がって突き当たりにある音楽室に向かっているようだった。
それにしても学園の地図データなんてどこで手に入れたのだろうか?
校舎内の教室やトイレの位置が記されているのは分かるが、教室の部分をタッチすると、画面の一部にそのクラスに在籍する生徒の名前から担任まで表示される仕組みになっていた。
これを普通に作るにしても膨大な時間が掛かる代物だと思うが、ママッキ―さんが作ったわけではないだろう。あの人は機械製作には長けているがこう言うデータ収集にはまったく向かない人だから、他にこれを作るのを手伝った人物がいる事になる。
しかし、大変よく出来ていると関心してしまうな……これは。
……。
……。
それから探し求める事、数十分――目標である部長を発見した。
パソコンの画面では音楽室からの足取りがいきなり途絶えたので探すのに苦労してしまった。
……しかし、一体何があったのだろうか?
全身ずぶ濡れで尚且つ埃まみれ、加えて頭にはコントのような蜘蛛の巣が付いていた。
「水も滴るいい男」なんて言ったら部長の事だから絶対に調子にのると思うし、何をするか分からないので余計な事は言わないでおこう。