放課後○○倶楽部
第六話:色々ギリギリだと思う今日この頃。
 妹――。

 それは血縁関係のある年下の女の子。

 まあ、『義理』というオプションが付くと更にグレードが上がるらしく、一部の人達には大好評である。


「……智樹、智樹っ。どうよ、この子達は――あはははっ」
「馬鹿笑いしないでくださいよ。俺も対処に困っているんですから」

 明らかに面白いものを発見した子供のように嬉々とした声を上げ、俺の肩を掴んで外さんばかりの勢いで揺さぶる和音さんを制し、俺は目の前に並ぶ変な女の子達に目を向けた。

「君達は一体……」
「よくぞ聞いてくれました、先輩っ」

 シャキーンと音がしそうな動きで腕を突き上げた一番小柄な女の子。

「私達、きゃはっ」
 その動きのまま、俺を指差して可愛くウインクをし――
「妹キャラに、やんっ」
 一番背の高い大人びた女の子がそれに次いで――
「な、なりたいんです、はうっ」
 眼鏡を掛けた三つ編みの女の子が恥かしそう締め括り――
「だからよろしくお願いします、お兄ちゃん」
 三人が口を揃えてまったく意味不明な事を言っていた。


 ……それ、さっきも聞いたよ。

 そう思いながら、この三人組が乱入してきた数分前の事が頭を過ぎっていった。
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