放課後○○倶楽部
第九話:ここはどこか、誰か教えてください。
 ここはどこだろうか?

 目が覚めたら俺は見知らぬ部屋にいた。隣には同じように眠っていた律子ちゃんがいたが、怪我をしているような風でもなく何かの薬で眠らされていたようだ。それは俺も同じなんだろうけど、それに関しては一つだけ思い当たる事がある。


 ……陰謀? 策略?


 一瞬、頭の悪い事が過ぎったが、そろそろ現実を見つめなくてはいけないだろう。

「ふむ……困ったな」
「困ったように見えませんよ、伏峰先輩」

 泣きそうな顔をして俺を見上げるパンツ丸見えの律子ちゃん。

 先ほど目が覚めたばかりなので、まだ寝ぼけたような目をしていつにも増して天然っぷりが上がっているようだ。しかし、今日は可愛い猫さんプリントがされたピンクのパンツですか……これまた律子ちゃんに似合って可愛いものだ。

「ピンクのパンツが丸見えのところ悪いけど、これでも困っているんだよ」
「え? あ、きゃあ――また見られたっ」

 慌ててスカートの裾を掴んで隠した律子ちゃんは、俺を見上げて口を尖らせる。別に見たくて見たわけではないが、いつもサービス精神が旺盛でいい心がけだよ、律子ちゃんは。

 と、今は律子ちゃんのパンツ談義をしている場合でなく、ここがどこなのかを把握しなくていけない。

「……とりあえず、ここから出ようか」

 目の前にある鉄製の扉に手を伸ばしてノブを廻してみたが鍵が掛かっており、開く気配はなかった。


 ……やっぱりな。


 薬まで使って眠らせた俺達を素直に帰すわけもないよな。出入り口はここだけのようだし、この扉を開けない限りは外には出られないらしい。
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