俺様外科医に求婚されました



はぁっ。真っ直ぐ帰りましたなんて倉田さんに嘘をついてしまったことは申し訳ないと思うけど。

面倒なことになるのを避けるためには仕方のないことだった。ああ言うしかなかった。


だって、正直に送ってもらったなんて言ったらどうなる。
根掘り葉掘り事細かに詮索される上、どうして私なのかと不思議がられるのが目に見えている。


大和国際病院にいる時も、周囲からは数々の嫉妬の目を向けられた。

何で望月さんなの?だの、釣り合ってないだのと好き放題言われた。
随分居心地の悪い思いをした。
そのおかげで、私はそういう嫉妬を避けるための術を学んだ。

余計なことは言わない。それが最善の策なのだと。


って…どうした私。

ダメダメ。
考えちゃダメ。コートはもう返せたんだ。

諒太のことは、早く忘れなきゃ。


スパッと頭を切り替えた私はそれから仕事を着々とこなし、勤務時間を終えるとすぐに病院をあとにした。


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