俺様外科医に求婚されました



「素直に言うこと聞いててくれて良かったよ。理香子のことだから、ああは言っても待たずに帰っちゃってるかもなって思ってたから。急いで降りてきて良かった」


あの日ーーー。

病院を出て駐車場に向かう途中、そう言われながらそっと肩を抱かれた。


「あの…何ですか、この手は」

「ん?待ってる間、寂しかったかなって思って」

「寂しい?どうして私が?」


私はそう言うと、わざとらしく首を傾げて。


「寂しさなんて全くもって感じなかったですけど」


言いながら、茶化すように笑った。


ライトな言動にも、だんだん慣れてきていたのかもしれない。

ふざけたような軽い言葉には、こっちもふざけて返せるようになっていた。


「冷たいなぁ、理香子は相変わらず」


大和先生はぶつぶつ言いながらも車までたどり着くと、そこは紳士っぽく助手席のドアを開けて私を先に車に乗せてくれた。


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