俺様外科医に求婚されました



「でもまぁ、暗い話ばっかじゃないんだぞ?裏口入学の一件で、腐るどころか反骨精神みたいなものが生まれて。おかげで成績はぐんぐん伸びたし、テストもいつも上位争い出来るまでになって。やっぱ、元が良かったんだろうな?どう思う、理香子」


いつもの調子に戻っていく大和先生に、ふっと笑みがこぼれた。


「良かったんでしょうね、多分」

「おいおいそこは多分じゃないだろー。じゃなきゃ脳外科医になんてなれてないぞ?」

「ふふっ、そうですね」



過去は、ずっと消えない。

忘れてしまいたくなるような過去でも、決して消えることはない。


でも、たくさんの辛い過去があっても。
それに負けずに、自分の力で乗り越えてきたから。


さっきのように、今日の事故で助けられなかった患者さんを思い出して。
落ち込んだように遠く悲しい目をする、優しい、かっこいい、立派な先生に。

人の命を預かる、大きな責任のあるすごい人になれたんだ。


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