俺様外科医に求婚されました
「私は、大病院の後継ぎだろうが一人の医師だろうが、そんなことはどうでもいいです」
「お、言うねー。まぁ心配はいらない。俺には腕がある。天才のつく脳外科医だぞ?場所はどこであれそこそこは稼げる」
へらっと笑い、ふざけた口調で言う諒太に私は冷静に問う。
「でも、本当にこれでいいんですか?」
いつか、全てを捨てて私を選んだことを、後悔する日が来るんじゃないだろうか。
もし、私を選んだとしても絶対に私達の未来がうまく保証なんてどこにもない。
もっと私のことを知っていったら、こんなはずじゃなかったとか、あの時間違ったとか。
今のこの瞬間を後悔する日が来るかもしれない。
「いいと思ったから、俺は今ここにいる」
諒太はそう言うと私との距離をグッと縮めるように近付き。
「だから、もう一度はじめからやり直そう。今度は一人の医師と看護師として。とりあえず、そうだな、今日の勤務後は空けておけ。まずは食事に行こう」
笑顔でそう言って、私を見下ろした。