俺様外科医に求婚されました
ふざけた発言に、頭に血がのぼっていく。
ぎゅっと両手を握りしめて我慢しようとした。
とにかく落ち着け、と自分に言い聞かせた。
だけど…それは出来なかった。
「あの、先生は職権濫用という言葉はご存知ですか?」
「もちろん」
「では、職権濫用の意味もご存知ですよね?」
「ああ、知ってる。仕事上の立場や権限を不当に利用すること。合ってるか?」
涼しい顔でしれっと言い放つ姿が癪に触る。
よくもまぁいけしゃあしゃあと…。
「意味はわかってらっしゃるんですね。では、私のこの異動はその職権濫用にあたると思うんですが、それはどう思われますか?」
「キミは、どう思う」
「はい?私が聞いてるんです」
「ははっ、そうだな。まぁ、俺は職権濫用だとは思ってない。何故なら、キミがこっちにいる方が俺の仕事の効率が良くなる。それはスタッフにも、患者にとっても良いことだし、この病院にとっても良い。そう思わないか?」
な…なんなの、それ。