俺様外科医に求婚されました



私は受け取ったバインダーに、ひとまず視線を落とした。

そこには、外来看護助手の業務内容や規則などがビッシリ記されていた。


小児ホスピスでもこういうものは最初に研修でもらって読まされたけれど、こっちの外来病棟は向こうよりも枚数が多く決まりごとが多いように感じた。


医師や看護師の指示のもとで医療知識が必要ない業務を行うということは同じだけれど、器具の滅菌や片付け、診察室やレントゲン室等への患者の誘導など、まだ経験していないことも増えるようだ。


医療行為は医師や看護師など有資格者が行う行為のため、看護助手は医療行為を行わない。

医療行為とは正式には医行為というらしく、医療に関する資格を持っている者だけが、必要である場合のみ患者の体を手術で切開したり、一部を切除したり、薬剤を投与することが出来る。


でも、渡された書類に目を通していると、非常事態など緊急を要する場合に限っては、医師や看護師の指示のもと、医療行為の補助や準備が必要な場合、診察の補助や注射の準備などをしたりすると記されていた。

法律的には、医師などに指示された行為ならば準備や補助をすることは法律違反とは言い切れないようだ。


だけど万が一。

看護助手が業務で準備を求められた場合は、準備ミスが医療事故につながる可能性もあるため、看護師・医師に最終確認を正確にしてもらうこと、とそこには書いてあった。


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