俺様外科医に求婚されました



「諒太先生と相沢先生、手術とか患者さんの話をし出すと周りが見えない人たちだから。とりあえず、手術室行きましょ」


小野さんが耳元でそう言ったので、私たちはその場からそっと離れ手術室の中へ入った。

手術が終わったばかりのそこには、まだ数人の医師やオペ看達が残っていた。

その中で、器具の片付けをしていた人に小野さんが声をかけた。


「南さん、こちらが望月さんです」

「あら〜、なかなか若いわね。おいくつ?」

「23です。あ、望月理香子と申します。よろしくお願いします」

「南 順子です。よろしくね」


緊張していた私に、ニコリと微笑んでくれた南さんという女性。
年齢は、50代くらいだろうか。


「最初は器具の名前とか覚えるのが大変だと思うけど、心配しないでも嫌でも覚えるようになるから」

「南さんは手術室の看護助手で、手術センターでは一番のベテランさんなの」

「そうなんですか、一番のベテランさん…」

「ふふっ、ただ歳をとってるだけよ。あなたより30年早く生まれただけだから、そんなに変わらないでしょ?」


茶目っ気たっぷりにそんなことを言ってきた南さんは、初対面だけど話しやすくて。

清掃の順番や方法、器具の片付け方などもわかりやすく教えてもらえたおかげで、初めての手術室だったのに特にあまり気構えることもなくしっかりとメモを取ったり質問したりすることができた。


< 62 / 250 >

この作品をシェア

pagetop