君は運命の人でした。
そう思いながら先輩に背を向けたとき


パシッ…あの時の感覚。正門を出ようとしたときの。


「せんぱ……!」


びっくりした。だって私、先輩の腕の中にいるんだもん。


…抱きしめられてる。
恥ずかしくて顔から火が出そう…。


「ごめんつむぎちゃん。でも少しだけこうさせて。今日楽しかったから離れるのがいやなんだ。」


「わ、私もです。…」


そう言うのが精一杯だった。
嬉しくて、でも恥ずかしくて…。
私の心臓の音が先輩に聞こえてしまうんじゃないかってぐらいに。
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