求めよ、さらば与えられん
「あ、開けてもいい!?」

「あぁ」



リボンを解く手が震える。恥ずかしいくらいドキドキしてる。


箱を開けるとピアスが入っていた。カットされた黒色の石。まるでジーン王子の瞳の様だ。


今付けているピアスを外して、代わりに貰ったピアスを穴に通した。



「ありがとう! 大切にする!」



お礼を言うとジーン王子は微笑んだ。


密猟者に捕まった時は辛くて不安で心が折れてしまいそうだった。だけど今は言葉にできないくらい幸せで、臆病な私は幸せ過ぎてあの時とはまた違う怖さを感じずにはいられなかった。



「お前の肌は透き通るような白さだから、黒が映えるな」

「本当? 変じゃない?」

「想像以上に似合っている」



っ!?


あんな事があったからなのか、今日のジーン王子は一段と優しい。嬉しいけど落ち着かない。


鏡でピアスを付けてる自分を見たい。このピアスを見るたびにジーン王子の事を思い出すだろう。レミーにも見せた__っ!?



「レミーは!? どうしよう!! ご飯!!」

「心配するな。 俺が預かっている」

「良かったぁー! ありがとう!! あっ!! アウロラは!?」

「アウロラ? 誰だそれは」

「お部屋に虹色の蕾のお花を置いてたでしょ!?」

「あぁ、それなら薬室長がお前の目が覚めるまで預かると言っていた」

「そう、良かった……」



私ってば色んな人に迷惑かけてる……どうお礼をしたらいいんだろう。私ってば本当ダメ過ぎる。



「今は自分の事だけを考えていればいい」

「でも……」

「周りの者たちの事を思うなら、今は元気になる事を優先しろ」



半ば無理矢理にベッドに寝かされた。



「おやすみ、ベアトリーチェ」



ジーン王子はそう言って私のおでこに唇を落とした。ドキドキしながらもその感触と温もりが心地よくて、目を瞑ると不思議なくらい穏やかに眠りにつけた。




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