求めよ、さらば与えられん
_ドンッ!!!!!


突然鈍い音がして咄嗟に見上げると、結界に血だらけの人が張り付いていた。助けなきゃ__っ!?


走り出そうとしたら、腕を掴まれた。振り返るとフリオンさんが私の腕を掴んでいた。



「彼らはもう助からない」

「そんなの……そんなの分からないじゃないですか!! 今すぐ手当てしたら助かるか__」

「ベアトリーチェ!! 次々と怪我人が運び込まれているんだ!! あそこまで助けに向かう時間などない!! その時間で何人が助けられると思う!? 何人が死んでしまうと思う!?」



いつもは穏やかなフリオンさんの目は充血していた。私に言いながら自分に言い聞かせている様だった。


グッと奥歯を噛み締めた。



「すみませんっ……運び込まれた方の手当てをします」



フリオンさんから離れ、手当てを待つ人の元へ向かった。


どうして?


ジーン王子が指揮を取ってるから、こんなに酷い戦争にはならないんじゃなかったの?


ここでの救護活動は教会での活動とは比べ物にならない程過酷だった。





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