求めよ、さらば与えられん
ジーン王子は基本忙しい人。近々話する時間あるかな?



「どっから話を聞きつけたのかは分からないんだけどね、他国の王女様や貴族のご令嬢が集まって来ちゃってるんだよね」



え?何それ!



「なんで!?」



どういう事!?なんで集まってきちゃうわけ!?


じゃああの馬車たちはジーン王子に会いにきた人たちの!?



「みんなジーン王子の王妃、もしくは側室の座を狙ってるのよ」

「何それ……」

「タイミング悪くもうすぐジーン王子のお誕生日でしょ? マクブレインに来る口実もバッチリよね」



ちょっと待って。私知らない。聞いてない。



「誕生日ってなに?」

「え!? 一週間後だよ!? あ、そっか! 去年はジーン王子が忙しくされてたから、パーティーは開かれなかったのよね」



ただ私が知らなかっただけ。ジーン王子が悪いわけじゃない。けど悲しかった。



「落ち込んでる暇なんてないよ! プレゼントも考えなきゃだし、ジーン王子に集る蝶たちを蹴ちらさなきゃいけないんだから! やる事たくさんあるんだからね!?」



私よりも意気込んでいるロアナ。あまりの迫力に驚いたけど、ちょっと元気出た。





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