求めよ、さらば与えられん
諦めてジーン王子の胸に頭を寄せた。相変わらずいい香りがする。それにここは少し静かで外の景色見えて、パーティー会場から抜け出せた気分になる。



「…あの女には関わるな」

「あの女って……王妃様の事?」

「そうだ」



「何で?」って聞きたかったのに、顔を上げてジーン王子の険しい顔を見たら言えなくなってしまった。



「わらわも坊やと同意見だ」

「坊やと呼ぶな」

「そんな顔をされてもわらわには爪の先ほどの怖さもないわ」



2人のこのやり取りって、キョウダイで戯れてるようにみえる。私からしてみたら微笑ましい。



「どうしてアウロラもそんな事言うの?」

「そなたとは正反対のニオイがする。 ただのわらわの勘だ。 わらわの勘は信じられぬか?」



首を横に振ると、頭をポンと撫でられた。


まだ出会って間もないけど、アウロラが私の為にならなかった事を言った事もした事もない。



「俺のことは信じられないというのか?」

「え!? そんな事は一言も言ってないじゃない! ただ……少しは理由も教えてほしいだけ。 私だけ何も知らない…いつもそう……」

「……あの女は目的のためなら手段を選ばない」



ジーン王子は私を抱きしめ、耳元で囁いた。他の誰にも聞こえてしまわないように。



「あれはクリストフの母だ。 俺とは血は繋がっていない」

「ルネ王子は?」

「ルネの母も別にいる。 この世にはもういないがな」



そういえば、ルネ王子から母親の話を聞いたことがない。それにジーン王子からも……。





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