【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「ですからですね……朝起きて一緒にご飯を食べて、一緒に出社して仕事に同行して、帰宅して夕飯を食べてお風呂に入って、夜になったら寝る、そして朝になったら朝ごはんを食べて出社して仕事に……」


いつまでも同じことを繰り返しそうな唐澤さんをシャラーップ!の意味を込めてにらむと、ピタリと口を止めた。


「それってつまり……」
「まあ、同棲です。あ、ご安心ください。ふたりの住処は雅副社長のマンションではなく、ブライアントホテルのスイートルームです」


全然安心できる説明ではない。雅さんは咲希さんと朝から晩まで……しかも夜は同じ部屋で休んでいるってこと?


「どうしてそんなことになったの?」
「二階堂オーナーのごり押しです。娘とともに暮らして嫌なら引き下がる。もしお試し期間をうけないならホテルは建てないし、ほかのホテルにも建てさせない、と」


あからさまな嫌がらせだ。


「で、どうなの、雅さん……」
「どうってなにがでしょうか?」
「だからなびいてないかなって」
「どうでしょう?」
「ど……」
「今朝お迎えに上がったときに咲希さまはお着替えの前でして。スケスケのキャミソールというのでしょうか……」

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