【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「うん……ありがとう」
深くため息をつくと私のスマホにメールが入った。橘さんだ。
*―*―*
私は定時であがると、橘さんに指定されたバーに向かった。
歩きながらメールに書かれた文面を思い出す。
“よりを戻さないか?”
よりって言われても。
でも彼女と何かあったんだろうとは推測できた。
そして私の心は揺れている。雅さんを選んではいけない気がしていたから。
このまま我を通して雅さんと一緒にいれば会社の皆に迷惑がかかる。つまりは雅さんに迷惑がかかる。それはなんとしても避けたいところで。
バーにはいると既に橘さんはカウンターに腰掛けていた。
「お疲れさま」
「ああ、紬。悪いね、急に呼び出して」
橘さんは手にしていたロックグラスを口元に持って行くと一気に琥珀色の液体を流し込んだ。
「実は……。単刀直入に言うよ。結婚の話、流れたんだ」
「え?」
「彼女、流産してしまって。それなら結婚する意味もなくなるし、なかったことになった。幸い、取引先には知らせてなかったから」
「でも社内も親戚の方にも知らせてはあるんでしょ?」
「ああ。でもごく一部の人たちだし」
「か、彼女はどうしてる?」
「普通に出社してきてるよ」
深くため息をつくと私のスマホにメールが入った。橘さんだ。
*―*―*
私は定時であがると、橘さんに指定されたバーに向かった。
歩きながらメールに書かれた文面を思い出す。
“よりを戻さないか?”
よりって言われても。
でも彼女と何かあったんだろうとは推測できた。
そして私の心は揺れている。雅さんを選んではいけない気がしていたから。
このまま我を通して雅さんと一緒にいれば会社の皆に迷惑がかかる。つまりは雅さんに迷惑がかかる。それはなんとしても避けたいところで。
バーにはいると既に橘さんはカウンターに腰掛けていた。
「お疲れさま」
「ああ、紬。悪いね、急に呼び出して」
橘さんは手にしていたロックグラスを口元に持って行くと一気に琥珀色の液体を流し込んだ。
「実は……。単刀直入に言うよ。結婚の話、流れたんだ」
「え?」
「彼女、流産してしまって。それなら結婚する意味もなくなるし、なかったことになった。幸い、取引先には知らせてなかったから」
「でも社内も親戚の方にも知らせてはあるんでしょ?」
「ああ。でもごく一部の人たちだし」
「か、彼女はどうしてる?」
「普通に出社してきてるよ」