【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
§思いはすぐに消えるはずもなくて
3月14日、日曜日のホワイトデー。今日も外は晴れているらしい。

先月のバレンタイン直前に橘さんにフラれ、私は誰にもチョコをあげてなかった。つまりはお返しを期待することはこれっぽっちもなくて。

やることがなにもない。

目が覚めてかれこれ1時間も経つのにベッドから降りられない。ぼんやりと天井を眺めている。

……あの朝もこんな風にまぶしかったな。

雅さんと出会った朝。ブライアントホテルのスイートルーム。レースカーテンからこぼれる太陽の光。

突如現れた男のひと。
突然与えられた甘いキスは、とろける魔法のキス。

エレベーターで鉢合わせて副社長だと知って。
副社長室で不意打ちのキス。

ジュエリーショップでダイヤとネックレスを買ってもらって。

車の中でしたキスも強烈だった。ネックレスで縫い止められた、淡い束縛のもとでしたキスはすごくゾクゾクした。逃げようと思えば逃げられるのに、逃げてはいけない気がして、雅さんの唇を受け入れた。

雅さんが用意してくれたワンピースで参加した懇親会。タクシーの中でつけられたキスマークはすごく官能的で。
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