【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔

30代半ばになると、性欲も落ちるとか?
いやいや有り得ない。3つしか変わらないオレがこんなんだし。

とーにーかーくーっ!
ボスと咲希さんがくっつかないようにしなくては。




*―*―*

金曜日。
マズいことが起こった。

朝、「雅さんと話がしたい」と藍本さんから直接言われた。
それも神妙な面もちで。

本当は二階堂オーナーの意向で藍本さんには会わせないという約束になっている。だって藍本さんに会っていたらボスが咲希さんに鞍替えする可能性が低くなるから。

だから、こっそり会える手段を、と咲希さんが昼寝をするタイミングで彼女を副社長室に呼ぶことにした。

何の話だろう。でもあんな顔、相当思い詰めている。
別れ話?
とうとう堪忍袋の緒が切れた、とか?
でも藍本さんに限ってそんなことはないとオレは踏んでいる。


なかなか昼寝してくれない咲希さんがうとうとし始めたのは夕方になってから。副社長室を出てからメールで藍本さんに知らせ、エグゼクティブフロアの秘書課で待機する。

わずか数分で戻ってきた彼女の瞳には涙が浮かんでいる。
声をかけづらい。
副社長室にダッシュで向かった。

そこには通常営業ではないボスがいた。
デスクにひじを突き、頬杖をついてため息をこぼす。

こんなレアな副社長、めったに拝めない。
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