【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
そうこうして、7月。咲希さんの通う女子大で前期テストが行われ、オレたちは2週間会えなかった。

どうしているかな、とか。
何を考えているのかな、なんて。
雨が降れば傘は忘れてないかな、とか。日が射せば喉が渇いてないかな、とか。

オレは年相応とは言えないことをずっと思っていて、そわそわしていて。そんなオレをボスはケタケタと笑うだけで。紬さんも優しく笑うだけで。

ようやく会えた下旬。
梅雨も明けた真夏日。夕刻になっても熱は冷めやらずアスファルトから湧き上がるむんわりとした空気。オレがエントランスからでたところで咲希さんと鉢合わせた。白のノースリーブ、膝丈のスカート、素足、ミュール。さらけ出された手足はまだ日焼けしてなくて白くて。


「おおおおお久しぶりでございます! 咲希さまっ! 今日は一段とかわいらしいお姿で」
「ありがとうございます。でも……かわいい、ですか?」


唇に施された口紅は赤く、耳に揺れるイヤリングは珍しくゴールドで。
大人を意識した格好なのは理解した。


「……き、キレイです。お美しい、です。行きましょうか!」


はい、と返事をする咲希さんと並んで歩道に出た。
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