【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
今日に限って混んでいる。
すれ違う人と肩がぶつかりそうになる。
あっ、咲希さんがよろけた。とっさに彼女の腕をつかんで支えた。細いのに柔らかい二の腕。慌てて離した。
「唐澤さん、ミュール買ったばかりで慣れてなくて……手をつないでもいいですか?」
「?!!!」
オレが返事をする前に咲希さんの指がオレの指に触れた。
摘まむようにそっと握られて。
「ここここれじゃつまづいたとき、足りないですからっ!」
ぎゅっとつなぎ直した手。
ほんのり汗ばんだ咲希さんの手のひら。
手をつないで歩く。
至近距離になったせいでふんわりと甘い香りが鼻をつく。その芯のある香りに香水だと判断した。香水に混じる咲希さんの汗がどうにも官能的で。
うわわわ……クる。これはクる。