【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
突然の熱いキスに驚いてしまった。さっきまで優しさにあふれていた紳士の体だったのに。
舌を絡め取られ、なぞられ、体の芯が震えてきた。
足元がふらつく。それはエレベーターの加速度によるものなのか、キスのせいなのか分からない。思わず彼のスーツの襟をつかんで耐える。
ポーン。到着音が鳴って、雅さんは一度離れた。
「雅さ……ん?」
「どうかしたか、ハニー?」
「いえ」
雅さんの顔はいつもの甘い笑顔にもどっていた。
後頭部に当てられていた手は背中に降り、エスコートされてゆったりとした通路を歩く。
今のキス、なんだったんだろう。
両側にドアはあるけど、間隔が広い。
20階建てのマンションの最上階を4室で占めているらしい。
「ここだよ、ハニー」
「はい」
そのうちの一つのドアを解錠し、押し開けて中に入る。ダウンライトに照らされた広々とした玄関。床はきれいに磨かれていて、埃もない。
ああ、きっと中も広そう。そんなことを考えていると、彼は私をドアに押し付けた。
「あ……雅……んんっ」
壁ドンをされる格好で再び始まる熱いキス。
雅さんから与えられた熱が口内から顔へ、首へと広がっていく。