【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
彼の顔と店内を交互に見比べる。どうしてここへ?、と彼は尋ねると優しく微笑んだ。
「婚約者といったら指輪だ。好きなデザインを選んで」
「そこまでしなくても」
「嫌ならそうだな、この前録音した音声を。キミのおねだりする甘い声をネットに……」
雅さんは内ポケットからスマホを取り出して操作するので、私は早速ショーケースをのぞいた。となりでクスクス笑う声が聞こえたけれど、それはすぐに聞こえなくなった。雅さんが笑うのをやめたのではない。ショーケースの中の宝石たちの輝きがまぶしくて驚いてしまったのだ。
縦爪の台座の上に大粒のダイヤが鎮座する。天井からのダウンライトの光を受けて、虹色に輝く。まるで自分が自分から光を放つ恒星であるかのように。
本物って、こんなに存在感のあるものなんだ。
そして次に驚いてのは値段。自分が普段使いに買う値段と桁が違う。一番安い指輪で250万円って……。この中で選べといわれても、こんなところで買ったことのない私に選ばせるのは無謀極まりない。
助けを求めるようにとなりにいた雅さんの顔を見上げた。
「なんだ、その顔。親とはぐれた鴨みたいだな」
「親とはぐれた鴨を見たことあるんですか?」
「ない。でもキミはどこか鴨っぽいから」
「理解できません」
「怒るなよ。深い意味はない。さっきシリウスが好きって言ってたな。なら石の色からいこうか」
「婚約者といったら指輪だ。好きなデザインを選んで」
「そこまでしなくても」
「嫌ならそうだな、この前録音した音声を。キミのおねだりする甘い声をネットに……」
雅さんは内ポケットからスマホを取り出して操作するので、私は早速ショーケースをのぞいた。となりでクスクス笑う声が聞こえたけれど、それはすぐに聞こえなくなった。雅さんが笑うのをやめたのではない。ショーケースの中の宝石たちの輝きがまぶしくて驚いてしまったのだ。
縦爪の台座の上に大粒のダイヤが鎮座する。天井からのダウンライトの光を受けて、虹色に輝く。まるで自分が自分から光を放つ恒星であるかのように。
本物って、こんなに存在感のあるものなんだ。
そして次に驚いてのは値段。自分が普段使いに買う値段と桁が違う。一番安い指輪で250万円って……。この中で選べといわれても、こんなところで買ったことのない私に選ばせるのは無謀極まりない。
助けを求めるようにとなりにいた雅さんの顔を見上げた。
「なんだ、その顔。親とはぐれた鴨みたいだな」
「親とはぐれた鴨を見たことあるんですか?」
「ない。でもキミはどこか鴨っぽいから」
「理解できません」
「怒るなよ。深い意味はない。さっきシリウスが好きって言ってたな。なら石の色からいこうか」