チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「どうして“たまき”の卒業式に来なかったのよ!私はね、卒業式のときくらいちゃんとした服着てほしくてあんたにはいつもより余分にお金あげたのよ!それなのに・・・。親として、それくらいの責務は果たしなさいよ!」
「たっ、たま、き・・・?」

それに「卒業式」だと?
途端に僕の頭の中は混乱した。

「ちょ、ちょっと待って。ええっと、今って・・1月、じゃないの?」
「はあ?何言ってんのよ!3月でしょ!3月2日!」
「・・・え」

僕が学会に出席したのは1月10日。
そして翌日、東京に帰るために飛行機に乗った。
つまり僕が墜落した飛行機に乗っていたのは、絶対に1月だったはず。
なのにこの女性・・って「りげんさん」の奥さんに違いないこの女性は、「3月でしょ!」と答えた。
学校の卒業式といえば、3月であることは間違いない。
てか「りげんさん」には子どももいたのか!?
なのに浮気とか。しかもそのことは奥さんもご存知っぽい、という・・・。

時というか、日数の開き具合に混乱している以上に、「りげんさん」夫婦の間に子どもがいるという事実に、僕は驚いていた。

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