甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
「あー、すごくかわいかったし、美味しかった!」
「そりゃよかった」
つい時間を忘れてカフェに長居してしまった。
気が付けば日が傾き始めていた。
「…ゆあ、あと行きたいところあるか?」
「…え?特にはないけど……」
今まで優しかった大くんの声音がいきなり真剣なものになって答えに戸惑ってしまう。
行き場を失った手を握られる。
「それならもう一つ行きたいところがあるんだ…いいか?」
そんなに真剣な目で言われたら頷くしかないよ。
私は何も言わずに頷いた。
そしてこんな時に思い出すんだ。
大くんにキスをされた夜のことを。
私もちゃんと話して確かめないと。