男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
「もう、舞花ってば。なーに油売ってんの

よ」

俺達が向かい合って火花を散らしていると

ヘアメイクの岡安さんが走って来る。俺はま

だまだやりあうつもりだったが岡安さんに

引きずられるまま控え室へと連れ込まれ

た。

「もうっ、岡安さん!何で邪魔すんの」

俺は鏡の前に置かれたイスに座ると足を組

む。何回鏡に映る自分を見ても、女装してい

るととんでもなく美少女だ。メイクは極力ナ

チュラルにしているが、黒髪ロングのウィ

ッグをかぶれば清純派のアイドルにしか見

えない。まあ俺は清純派で売ってるつもりな

どないのだが。

「仕方ないじゃない。顔合わせればいっつ

も喧嘩してるんだから」

「それは・・・全部あいつが悪いの」

岡安さんの言う通り、俺はどこのテレビ局

に行ってもなぜかよく輝と顔を合わせる。

どれもこれも俺がこの世界に足を踏み入れ

たのがそもそもの元凶だ。
< 6 / 81 >

この作品をシェア

pagetop