男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
「大丈夫か?何があったか知らないけど、

あんまりムリすんなよ」

「・・・ん」

俺は力なく返事する。どんなに元気づけら

れても、今の精神状態では全く効果がない。

「大丈夫だよ。俺は自分の力で何とか出来

るから」

田町は俺の顔を不思議そうに見つめる。

こんないい友達を持って俺は幸せだなと心

底思った。


「何を?何とか出来るって何の事?」


突然肩を組んできたのは・・・やっぱり風

見だった。

「・・・お前何かまたうざくなってるな」

「え、何が?」

風見は何でこうも空気が読めないんだ。い

や、分かってて読まないタチが悪いタイプ

なのか?せっかく自分の世界に浸っていた

というのに。

「や、ごめん。何でもないわ」

とにかく今は一人になりたい。田町みたい

な仲のいい友達と話していたって元気にな

れないから。

「はぁ~、俺重症かも」

「え、重症?何が?」
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