男の娘。~絶対秘密の女装アイドル~
「・・・ごめん黙って」

いちいち鬱陶しい風見を黙らせると一人席

につく。田町は気持ちを察してくれたのか

他のクラスメイトの所に行った。


~放課後~


俺は一人家にこもっていた。今日はせっか

くクラスのみんなに会えたのに、熱愛記事

が頭によぎって全然会話を楽しめなかった。

始業式で校長が話していた事もさっぱり覚

えていなかったし。いや、校長の話はいつ

も覚えていないな。


「俺はどうしたいんだろ」


こんな逃げ場のない状況は初めてで、本当

なら今すぐにでも逃げ出したい。しかしそ

んな事をすれば熱愛が本当なんだと誤解さ

れたままになる。今は俺の心情より輝のピ

ンチをどうにかしないと。

と、そんな事を考えているとスマホにおじさ

んから着信があった。普段おじさんが電話

を掛けてくる事なんてないのに、一体何の用

なんだろう。

「もしもし、おじさん?何か用?」
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