只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜

鬼退治ならぬ元カノ退治

とある日、悠哉が機会を設けた。

美羽がそれを知ったのは前日。

「美羽、今度中原と本社のお偉いさんと親父と母さんと俺と美羽で食事会組んだから」

悠哉が唐突に植物に水を与えている美羽に言った。

「また急ですね…」
「…本当は結構前に企画はしてたんだけど、誰にも知られないようにって親父から」

美羽はなるほどと納得した。

「いつ何ですか?それは」
「明日」
「あ、明日ですか…」
「うん、明日」

悠哉は当然のように答えた。

「何かまずかった?」
「いいえ、予定は入っていませんけどただ本当に急だなと思っただけです」

美羽は拗ねたように言い唇を尖らせた。

「ごめん、埋め合わせはちゃんとする。それに中原のことは早く片付けておいた方が楽だし…」

悠哉は最後小声で言った。

きっとそっちが本音なのだろう。

「私もそう思います。でもどうして中原さんは悠哉さんに対してそんなにも執着してるんですかね…」
「それは…」

悠哉には心当たりがあるように思えた。

「…それは聞いた方がいいですか?」

美羽が悠哉に聞く。

悠哉は小さく頷いた。

「それでは、コホン。何があるんですか?」

美羽は咳ばらいをして悠哉に聞いた。

悠哉はゆっくりとだが美羽に話し始めた。


食事会当日、美羽と悠哉が会場に着くと何故か桃歌と響輝の姿もあった。

「美羽、話したか?」

悠哉は小声で美羽に耳打ちする。

美羽はすぐに首を横に振った。

「美羽!」

桃歌は美羽を見つけると美羽に駆け寄った。

「どうしたの、桃歌」
「会長様に誘われて…」

桃歌は悠哉の父親と話す響輝を横目でチラッと見た。

「なるほど」
「はあ~…」

悠哉は美羽の横で大きなため息をついた。
< 65 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop