只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
食事中、悠哉はずっと下を向いていた。

話はと言うと悠哉の父親、桃歌、響輝、そして本社のお偉いさんであり中原の父親が進めていた。

美羽も中原も悠哉も始終黙っていた。

と言うより下を向いたままの悠哉を美羽は隣りで慰めていた。

結論を言うと、中原は期限まで支社に勤めることになり、美羽が結婚と同時に寿退社することになった。

桃歌は目を輝かせ、響輝は笑顔で拍手、会長も中原の父親も満足そうに微笑んでいた。

「茶番だ…」

そう呟き俯く悠哉に美羽は苦笑いを浮かべるしかなった。

その後、中原親子と別れて悠哉の父親が泊まっているホテルにお呼ばれした。

ホテルの部屋には悠哉の母親・結愛もいた。

「あ、結愛さん!!」
「美羽ちゃん!」

美羽と結愛は再会に喜ぶ。

「親父…」
「母さんも来たいと言っていたからな」

父親は微笑ましそうに笑って言った。

その横で悠哉はため息をついた。

桃歌と響輝は用事があると言って帰った。

「それで、悠哉、美羽ちゃん。いつ結婚式開くの?」

寿退社という案は結愛の提案だったと悠哉は知り、父親をキッと睨みつけた。

ハハハっと父親は笑って誤魔化した。

「私は弟達が落ちつたらと思っていますが…」

美羽はチラッと悠哉に目をやる。

「こっちも色々と落ち着いたらだから…来年の春か?」

悠哉がそう言う。

美羽は満足そうにふふふと声を出して微笑んで見せた。

悠哉も息を吐くように微笑み、結愛から美羽を離す。

「俺の婚約者だ、母さん。…取らないで」

珍しく悠哉がデレたところを見た3人は目を点にしていた。

悠哉はムスッとして美羽を後ろから強く抱き締めた。
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