いじめから救ってくれた捨て猫
小学生
僕には小学一年生のときに友達と遊んだ記憶がありません。

記憶があるのは、入学式の日に咲いていた満開の桜の木と、上級生が給食の世話をしに来てくれたときに、僕に声を掛けてくれた記憶があるだけです。

手術をしたとはいえ、喉は弱くて、ひよわで体力もない。

風邪もひきやすくて、まだまだ熱も出やすく、虚弱な僕と遊んでくれる友達は居なかったのです。

それでも、いじめられたという記憶もありません。

幼稚園の頃に、いじめられていた三人とは、それぞれ別のクラスになり、それぞれが新しい友達ができて、個人個人で登校するようになっていました。

だから、たまに道で出会っても、話もしません。
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