いじめから救ってくれた捨て猫
僕の通っていた幼稚園は桜組と桃組が戦争状態で、いつも休み時間になると、男の子たちは争いを繰り返していました。

先生もケンカをしている子供たちを、よく注意していたのですが、ちょっとしたことで、すぐにケンカが始まっていました。

僕は怖くて、常に自分の椅子に座り、机にしがみつくようにして、その光景を見ているだけです。

休み時間に、男の子で部屋に残っているのは僕くらいで、とても不活発な子供でした。

ケンカが始まると、先生がケンカを止めさせようと注意しに来て、男の子たちは先生に怒られていましたが、僕は、いつも何もせずに座っているので、先生は

「爽君は、おとなしいね」

と言っていました。

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