××夫婦、溺愛のなれそめ

そもそもレヴィが結婚を急いでいたのは、三十歳の誕生日までに結婚しなきゃいけなかったから。

私たちが出会ったのが土曜。次の日に、彼はあと一週間で誕生日を迎えるから、それまでに結婚しなくてはいけないと言った。ということは。

「レヴィの誕生日……!」

いけない、忘れてた。何も用意してない。

ぎくっとした私の顔を見て、レヴィは笑った。

「いいよ、何もいらない。その代わり、莉子が欲しい。……いいだろ?」

私の上に馬乗りになった王子様が、蕩けてしまいそうな熱い視線で見つめてくる。

そんな風に聞かれたら、嫌だとは言えない。

「……う、ん」

うなずくと、王子様が猛獣に変身した。

待っていましたとばかりに、キスの雨を降らせ、ドレスの上から胸の膨らみを包む。

彼の熱に翻弄されるうち、いつの間にか髪はほどけてシーツの上に揺蕩い、ドレスをはじめ、纏っていた布は全て取り去られていた。


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