××夫婦、溺愛のなれそめ
私は両親とは違う。契約結婚だけど、きっと、幸せな家庭を築くことができる。
彼がいてくれれば、それができるはずだ。
「今夜はずっと一緒にいよう」
彼の右手が私の左手をぎゅっと握った。テーブルの上のキャンドルの炎が、ゆらりと揺れた。
食事を終え、部屋に戻ると、ドアを閉じるなりレヴィが私を抱きしめた。
唇を奪われ、その熱さからこれから何が起きるかを悟る。
「んっ、ま……待って」
心臓が壊れそうなくらい高鳴る。レヴィに抱かれるのは嫌じゃない。彼は私の夫だもの。自然なことだ。
だけど、今日は一日仕事だったし、それなりに汗をかいた。シャワーを浴びて、綺麗な体で向き合いたい。
けれど、私の王子様はそれを許さない。
「待てない」
そう言った彼は、さっと私をお姫様抱っこした。その顔からは想像できないくらい、軽々と私を抱き上げてダブルベッドの方へ歩く。
「莉子、明後日の日曜が何の日か覚えてる?」
レヴィは私をベッドに横たえながら尋ねる。
明後日? 今日が結婚記念日で、明後日は……なんだっけ。
適度にお酒の回った頭で考えていると、ある考えに行き当った。