たぶん、トクベツちがいな恋。



茶々の好きなチョコレートカフェは、俺も今まで数えるほどしか来た事なかった。

先に注文をして、会計を済ませる。

たくさんカタカナが並んでいてよく分からなかったから、俺は適当にブラックコーヒーを頼んだ。別にブラックが好きなわけじゃないけど、なんとなくチョコレートの気分じゃなかったから。


「…近海、ブラック飲むの?」

「ん?あぁ、別に飲まなくはないよ。この中ではコーヒーがいいかなって思っただけ」

「…ふーん」


茶々からの質問に答えると、オシャレな店員さんは金額を示してきた。並んでいるのは、2人分の金額。茶々はチョコレートブラウニーも頼んでいたから、3分の2は茶々の分だ。

財布を取り出して、示された金額をすべて払った。隣で茶々がピンクの財布を取り出していたけど、出さなくていいと言ってしまわせた。


茶々は少し驚いた顔をしていたけど、そのままケーキと飲み物を取りに隣の棚に並ぶ。

そこには、なんだか色々と輝かしいものが並んでいて。


「…なんだこれ、何に使うんだよ」

「シロップだよ。香りが色々あって楽しいの。それから、ここのマシュマロは食べ放題なのよ。知ってた?」

「まじで?知らなかった」


瓶に詰められたシロップたちとマシュマロ。茶々は、小さな皿をとって、俺の分と自分の分に3つずつマシュマロを乗せた。


「ここのマシュマロ、おいしいの!絶対食べて」

「まじ?甘くねーの?」

「大丈夫、甘さ控えめだよ」

「ふーん…」


キラキラした顔。ほんと、甘いものの前では表情変わるよな。

好きなものの前では、表情が明るくなる。

珠理の前でだって同じ。同じ顔をしていた。


やっぱり、コイツにとっての“トクベツ”な顔はこっちなんだ。


< 35 / 166 >

この作品をシェア

pagetop