たぶん、トクベツちがいな恋。


「ねぇねぇ、オーミ。アタシの誕生日パーティーって、久しぶりじゃない? 去年できなかった分、楽しみで仕方なかったの〜!」

「久しぶりもなにも、年に一回しかやらねーんだから当たり前だろーが。つーか、そんなくっ付くな!早く上着脱げ」

「なんでよう〜!久しぶりに会ったのに〜!」

「一昨日会っただろーが!大学で!」



やってくるなり、この迫力と騒がしさ。

低いのに妙に違和感のある話し方をするのは、コイツがオネェ系男子だから。

なんでオネェ系男子になってしまったのかっていうのはひとまず置いといて、とりあえずこの変わりすぎている男が、俺の大切なものの2つ目だ。



「ちょっと珠理。早く上着脱ぎな!近海くん困ってるでしょう」


あまりのしつこさに諦めかけていると、珠理の恋人であるめごちゃんが、奴を俺から剥がしてくれた。


「めご〜♡ ごめんね、めごにもちゃんとハグしてあげるから♡」

「いい。しなくていい。」


毎度毎度思う。なんでめごちゃんは、こんなオネェ野郎と付き合ってんだろうと。




「…はぁ。相変わらずの騒がしさね」

「…茶々。もう勉強いいのかよ」


隣に座っていた茶々も、呆れたようにため息をつく。
広げていた参考書や赤本は、綺麗に閉じられていた。

俺の問いかけに、「みんな来たからいい」と言って、ひとつひとつを鞄にしまって、机の上を整理する。

久しぶりに、とは言わないまでも、今となってはなかなか集まれないこの貴重な時間を普段と変わらない態度で過ごすのは、きっと茶々だからだろう。


子どもっぽいわりには、たまに冷めることもある。そんな女の子。



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