たぶん、トクベツちがいな恋。


目の前で、黒くて長いツインテールが揺れた。

そして、集まった仲間の元へと、足を進めていく。


「珠理もめごも、瀬名も、久しぶり」

「茶々ちゃん〜!会いたかったよ!勉強お疲れ様だね!」

「…疲れてハゲそう。今日はいたわって」



めごちゃんと瀬名ちゃんに、可愛がられている茶々の後ろ姿。

珠理の方にも顔を向けて、いつも通り話している彼女を見て、まだ少し心が騒ぐ。


「……」


でも、騒いでいるのはたぶん、俺だけ。


だってもう、茶々の過去は、茶々だけのもの。

もう終わったことだから、俺が関わること自体が間違っている。



「珠理、近海のお母さんがね、ピザを用意してくれたんだって。和風ピザとマルゲリータ。食べられる?」

「えっ…!?おばちゃんが!?大好物!」

「そう。しかもホームベーカリーでピザ生地から作った手作り!んで、あとはたこ焼き機でタコパだよ〜」

「キャー!すご〜い!炭水化物パーティーだわ…!」



今はもう、普通に話せるようになっている。普通に、騒げるようになっている。

そんな姿に、少しだけホッとする。


「……」



俺と珠理と茶々は、出身中学が同じだ。茶々は一歳年下だから、当たり前だけど学年も下。

茶々の存在を初めて知った時、茶々はもう、珠理の隣にいた。


『…尾張、茶々です。美濃せんぱいと、付き合ってます…!よろしくおねがいします…!』


…俺の元にやってきて、頭を下げた時。

そんなことを、言っていたっけ。


今でも、忘れない。


茶々の、恥ずかしそうなのに、すごくしあわせそうな、あの時の表情。




< 10 / 166 >

この作品をシェア

pagetop