オレンジ色の恋 ~切なさは誰の物?~
なぜかさっきの彼の笑顔を話す気持ちにならず、笑ってごまかした。

「結花はやっぱり水泳部?」
知子の問い掛けに、私は頷いた。

「そうだね。選手とか関係なく、やっぱり泳ぐのが好き」

そう答えた私の言葉に、友達たちもうんうんと同意してくれる。

「結花は本当に泳ぐの好きって感じだもんね。水を得た魚?」
「何それ~」

中等部からの友達は心地いい。
ずっと続いてきたこの穏やかな時間に、あの時風が吹いた気がしたんだ。
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