和泉くんの考えてることはわからない。


それからも学校のこととか家族のこととかをたくさん報告して、最後に2人で墓石を綺麗に掃除した。




「栞里ちゃん、僕先に戻って向こうで待ってるよ。家族水入らずで話したいこともあるでしょ?」

「えっ、いいの?」

「もちろん」




「ごゆっくり」とそう言って笑う慎くんは、さっさとその場を後にする。


やっと家族3人になったその空間は、なんだか少しだけ寂しかった。




サーッと、風が私の髪を撫でるように吹いていく。




「……これ、可愛いでしょ?ワンピースなんて滅多に着ないのに、一目惚れで買っちゃった」


ヘヘッと笑って、その場に立ち上がって一回転してみた。



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