和泉くんの考えてることはわからない。



「叔父さん、叔母さん。久しぶりです」


しゃがんだ私の隣に並ぶように、慎くんもしゃがみ込んだ。




「お爺ちゃんがね、ぎっくり腰になっちゃって。だから今日はお婆ちゃんと一緒にお留守番なの」

「草刈りでやらかしたらしいですよ」

「え、そうなの!?」



墓石の前で明かされるお爺ちゃんのぎっくり腰の実態に、驚いて思わず大きな声が出る。


くすくすと笑う慎くんは、「僕その瞬間見たもん」と事細かに説明してくれた。




「お爺ちゃんも歳だね〜」

「僕と栞里ちゃんで労ってあげないとね」

「あははっ」




パパとママにも聞こえるように。


元気でやってるよと、伝わるように。




< 158 / 326 >

この作品をシェア

pagetop