和泉くんの考えてることはわからない。
「い、和泉くん…っ!!」
「うるさい」
後ろで喚く声なんか、完全に無視。
少し歩いてから連れ込んだのは、いつかの使われていない6組という名の空き教室だった。
相変わらずの埃っぽさにむせ返りそうになるけど、今はそんなことを気にしている余裕は正直ない。
「花宮さんさぁ、…なんなの?」
「へ?」
腕を組みながら壁によしかかる俺と、そんな俺の質問が意味不明とでも言いたげに首を傾げる花宮さん。
目の前で俺の顔を見てキョトンとする彼女が、無性に腹立たしくて、愛おしいと思えてしまう。