和泉くんの考えてることはわからない。
和泉蒼 (いずみあおい)くん。それが彼の名前。
私の、大好きな人です。
「和泉くん、クラス発表見た!?また同じクラスだねっ」
「別に花宮さんが何組になったとかどうでもいいんだけど?」
「またまた〜。幸せな一年になることをこの花宮が保証するよっ」
へらっと笑ってピースサインを向ければ、肝心の和泉くんは「そっか」だなんて一切気持ちのない一言を言い放つ。
そして挙句には、私を置いて先に教室へと入って行ってしまった。
「和泉くん、待って!」
もう、和泉くんたら。本当につれないんだから。
高1に続いて高2も同じクラスだなんて、こんなに嬉しいことはないというのに。