和泉くんの考えてることはわからない。



「……悪い、今日送れない」

「っ、」


想像することすら、したくなかった。




贅沢なことはわかってる。


和泉くんと帰れることが、どれだけ幸せなことかくらい。



でも。



「そっ、か。うん、大丈夫だよっ。まぁ、元はと言えばこんな時間まで付き合わせちゃったの私のせいだしね!」


もうちょっとだけ、和泉くんを独り占めしたかったな、なんて。




「え、アオちゃん?あたし1人で帰れるよ?彼女送ってあげなよ!」

「いや、雨やばいし」

「だからこそでしょ!?もう、雨くらいで心配性だなぁ」



こんなことで傷つくとか、本当どうかしてる。


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