和泉くんの考えてることはわからない。



「久野さん、どこか悪いんですか?」

「えっ、あ、ううん!今は元気だよ!病気は小さい頃にね。今は健康チェックのための定期検診で通ってるだけ」


えへへ、と笑う久野さんの笑顔はとっても明るい。



「アオちゃんとマコちゃんには凄く心配かけてね…。特にアオちゃんはずっとそばにいてくれて。手術のために黙って引越したんだけど、戻ってきてからもアオちゃんには心配ばっかかけてもらっちゃってね。その……ごめんね?」

「え?」

「不安にさせちゃってたでしょ?」



申し訳なさそうに謝る久野さんに、少なからず言葉が詰まる。



だって、事実だもん。


不安になっていたのは確かだから、何を言えばいいのかわからない。



けど、私は久野さんが病気だったなんて知らなかったから。


事情も知らないで勝手にヤキモチ妬いて、私の方だって申し訳ない。


< 302 / 326 >

この作品をシェア

pagetop